『new;Fable』 / ave;new feat.LOVELOID

ave;new レアトラックコレクションシリーズ 第2弾 『new;Fable』

ave;new レアトラックコレクションシリーズ 第2弾 『new;Fable』

 2年前の神調教。

 エロゲオタでボカロ廃人である僕がこれを素通りはできないでしょ。僕は『着せかえフェティッシュ!』も『Nursery Rhyme』もプレイしたことしたことあるし、しかもフルコンプなんだぜ? そんなボカロ廃人でボカロ動画製作者がほかにいるかい?、ふふん。いや、ここ誇るところじゃないけれども。いやでも、『memorize』で初めて佐倉紗織の歌声を聞いたときはびびったね。あれは何年前のことだろうか。彼女は喋るときもあの声だからね。ガチだね。

 …とか思いつつ、CDを買ったまま封もあけずにしまいこんでいました。今はエロゲーソングに興味失っちゃったからなあ。ゲームしても聞かないし。だけど、GWだし時間あるしと開封してPCに突っ込んで聞いてみた感想が冒頭ってわけ。2年ほど前に聞いたときには「すげー。これからはエロゲーソングの歌手って失業しちゃうのかも」と思いましたが、今聞いてみると楽曲も調教も大したことないように感じます。ボカロ界隈の進化にちょっとため息。

 なんつーかさ、ど音痴のシンガーの歌声でもプロの手にかかれば聞けるようになるんですよ技術すごいですねーみたいな楽曲に仕上がっていて、僕たちボカロ廃人が聞きたいものはそうじゃないっていうミスマッチなんだよね。一言で言えばave;newはボカロへの愛が無いって話になるんでしょうけど、そりゃ無いよね(笑) ニコ動的にタグをつければプロの技術の無駄遣いってことになるんですかね。まあ、DTM技術力の無い僕にはすげーということしかわからないのでその部分を語ることはできないのですけれど。

 ただ、ミクさんたちボーカイロイドを歌手として扱ってる尊重してる感じは好印象です。ave;newは、というかプロデューサーのa.k.a.dRESSは、意外に歌手を尊重するタイプなのかしらん。しゃおりぬなんて飛び道具みたいな歌手を使ってるんだから、「歌手なんて音源でしかない」とystkのごとく思ってるのかと予想してたんだけど。まあ、インディ系はシンガーの確保に一番悩まされると聞きますし、そうじゃないとこのニッチな業界ではやっていけないのかもしれないけど。

 だがしかし、歌手として尊重する立場がこのCDに入ってる楽曲をあたかも仮歌を集めたような印象にしてるのではないかとも考えます。どの楽曲を聴いても「この後にしゃおりんが歌入れをするんですね。ミクさん、お疲れ様でした」みたいな気分になるんですが、そういうのは僕だけ? まあ、仮歌歌手としてのミクさんというのはヤマハなりクリプトンが当初に想定していた使用方法なわけですし、それを覗き見た気分になれるのはCD買ってよかったと思います。プロの現場ではそれなりにボカロを仮歌歌手として使うようになってると聞き及びますが、本当のところどうなんですかね?

 まあ、結局はa.k.a.dRESSは人間を相手にするのと同じ方法でしかボカロに対することができないんでしょうけどね。英語の部分をどうにかするスキルはないのでしょうし、その方法に興味もないでしょう。いわゆる”調教”というDTMスキルはボカロに特化しすぎてるんじゃないかと思うんですよね。ボカロ使いのDTMerで調教に興味ないって人も多いですもんね。逆に僕は人間の歌声を扱ったことはないんですが、もしそういう機会があったらものすごく戸惑うのだろうな。「なんでそんなに極端なセッティングするんですか?」とか歌手に怒られそう。

 オタクらしく意味不明の喩えを持ち出してみるのならば、油ギトギトこってりスープのラーメンに慣れすぎて普通の中華そばでは満足できなくなってるような感じなのかも。ボカロ耳になってるボカロ廃人は。そうは言っても牧歌的だったあの頃に戻れないし戻りたいとも思えないしで、むしろもっとどぎついものを求めてしまう心はとめられない訳で。このどぎつさはボカロ界隈へ新人が入ることの障壁になるかもとも思ったりします。どうなんだろ。

 以上のようなことをCDを聞きながらつらつらと考えたので自分用メモ。いつもどおりまとまってなくてゴメン。