希ガス


 街を歩いててシティバンクの店舗を見かけると、ちょっとモヤっとしますね。「シティバンク銀行」って看板はなんとならんかなあ。馬から落馬じゃあないか。まあ、銀行業法あたりで規定があって、銀行とつける決まりなのだろうけども。なんだかねえ。

 さて、「排気ガス」です。気は気体の意味で、ガスは…やっぱり気体であるのだから、これは重畳ですよね。排水リキッドと口に出したら、それはおかしいと感じるのだから。でもねえ、自動車の後ろからボーボーと出るやつは、排気ガスって気がする(←ここはギャグです)。

 Wikipediaを見ると、『排気ガスの「気」と「ガス」は同義語で重複するが、これはexhaustを「排気」と訳しているためである。』とありますね。なるほど、exhaust pipeは排気管だし、exhaust noteは排気音、exhaust manifoldは排気集合管ですな。排気管は排管でも良さそうだけど、配管や廃管と音がマギレちゃうから、排気と訳したのかなあ。

 僕は法律関係の末端で仕事をしてるのだけれど、判決文などでは排ガスになってますね。排ガスっていうと工場の煙突からモクモクとでてくるようなイメージが僕にはあるけど、自動車排ガスなんて表現されていますね。まあ、デイ−ゼル廃棄微粒子(っていうんですか? 良くは知りませんけども)も含んだものだからってのもあるのかなあ。排気ガスって言うと普通の自動車から出てくるガスの気がするですね。

 日本の首相が出かけていって出来もしない約束をしてくる世界環境会議なんて場の報道を見てると、排出ガスなんて書いてありますね。CO2排出量の削減とかなんとか。なんつーの?、ゼロ・エミッションって感じ? 僕は英語が苦手なんでexhaustとemissionの違いとか全然わかんないですけども、この排出ガスは排気ガスも含んでるんですよね。ていうか、排ガスって書くと工業関係のイメージが強すぎて、家庭からの排出が枠外に置かれてしまうと言うような懸念がこういう表現を役人にさせとるんでしょうが。

 同じようなものを言い表すのでも表現のヴァリエーションはたくさんあるのでして、言葉の取捨選択って難しいなと思うのでありました。何でもかんでも取替え可能ってわけじゃないしね。排気量と排出ガス量では意味が違うとかあるわけですし。正しい言葉遣いを心がけたいなあとは考えますが、言葉は慣用に従う部分も大きい。

 にんともかんとも。