Garden 短評・1

 去年の10月頃は漠然とだけど『Garden』をプレイしたらエロゲを卒業しちゃうのかもなあと思ってたんですよ。DependSpaceさんで発売予定表を眺めててもこれっぽちも心が動かない昨今なんですもの。だから、『Garden』で満足したらエロゲはしなくなっちゃうんじゃないかしらという危惧があったのです。しかし現実は常に非情で、エロゲの神は僕にもうちょっと頑張れって言ってるのかさっさと止めれって言ってるのかどっちなんでしょう。

 今のプレイ状況は絵里香とあざみのルートと瑠璃と愛ルートの残滓をクリアしたところで、全体の半分に来たのかなと思うので自分用にちょっとインプレを書いておこうかと。最初はあえてパッチを当てないでプレイしたんですが、まあ酷いね。未完成もいいところです。とても他人にお勧めできるゲームじゃありません。そうはいっても☆×殿×鷹月ってのは僕にとって最高の組み合わせであることは間違いなくて、金を払って損をしたという気分にはなってません。信者乙。以下の駄文はネタばれありで。

 このゲームのテーマはタイトル通りの「箱庭」だったんではないかと思います。閉鎖された甘い甘い空間での物語。共通から個別ルートに入ることでその空間の密度が高まるような設計。箱庭は言い方を変えれば檻になるのかもしれませんけど。 「人は自分から檻に入りたがる奇妙な生き物だ」とかいう言葉を思い出したりしました。トノイケが書いたと推測される部分はなんかメタエロゲっぽい視点が感じられて、最後は超展開なりファンタジーなりに昇華される話だったのかなあ、本来は。

 絵里香ルートは全体的にちぐはぐな印象でとにかく惜しい。3人くらいのライターの寄せ集めの文章になってるのかな、シーンごとに切れてる感じです。今のルートも水準以上の質はあるとは思いますが、トノイケが全部を書ききっていたらどうなってたのかなあ。もっと密度の高い”世界に二人っきり”って空間になっていたんじゃないかと思うんですが。それこそ最後は二人で心中しちゃうような。まあ、鷹月の声が聞けただけで満足するとします。

 発売前の予想では、絵里香が花梨・瑠璃が那波の立ち位置なんかなと予想してたんだよね。瑠璃ルートは物理的にか精神的にかはわからないけど、「あっち側」に行っちゃう話なんかなと。だったら絵里香ルートは「こっち側」に残る話なんかなと。実際の目論見としてはどうったんでしょうね。瑠璃ルートを待つしかないのですけれど。普通のハートフルラブストーリーだったらちょっと肩すかし。

 あざみルートは…、あきらかにトノイケじゃないよね。だから、どうしても「これをトノイケが書いていたらどうだったんだろうなあ」って視点でずっと見てしまっていて、どうもゲームに集中しきれませんでした。代打の人はいい仕事をしたとは思うんですけど。あざみは主人公を箱庭から連れ出してしまう役割だったのかな。そのへんのところがぼやけてしまってるのが残念。尻切れの感は否めないシナリオでした。

 さて、残りのルートも一気にやるといたしますかね。