今日の雑記

 ベタな議論になるけど、プロダクトアウトとマーケットインという言葉があって、古ヲタの端くれである僕は前者的なものが好きなのね。クリエイター至上主義とまでは言わないけど、「俺はこれが作りたかったんだー!」ってのがわかるような作品が好き。もう死語になりかかっちゃってるけど、昔流行った「作家性」ってやつですかね。

 アイマスに乗り切れないのもその辺がたぶん原因で、なんかさあ、はいはいマーケティングマーケティングおつおつ、みたいな臭いがするじゃん、あれ。会議室で話し合ってキャラクター設定を煮詰めました的なさ。ああ、良し悪しの話じゃないんですよ。ユーザーのニーズをくみ取るってのも大切な作業には違いないんだし。好き嫌いの話ね。

 ただ、消費不況で少子高齢化っていう日本のマーケットはクリエイティブな商品についてもマーケット・インな考え方主導でいかざるを得なくなっていて、それは音楽でも漫画でもアニメでもゲームでもしかりで。特にヲタ向け市場なんてちっちゃいから必死にならざるを得ないもんね。なんかの統計で見た記憶では1000億円くらいでしたっけ? そこで何人の人々が飯を食ってるのかと考えれば、そりゃまあ大変だ。でも、僕の立ち位置で言ったら面白くねえなあと思うわけ。

 その中でエロゲに関してはプロダクトアウト的なもの作りができるんじゃないかと期待があって、この年になっても見続け、かつ、たまにはプレイしてるってわけです。というか、プロダクトアウト的なもの作りって中小の企業じゃないともはやできないんだろうね。利益はほどほどでいいやっていう割り切りは上場企業に許されないわけですし。入交社長の頃のセガはもう帰ってこないさあね。

 が、今年に入ってからのエロゲ界隈を見てると、そうも言ってられないのかなあと感じます。いやまあ、市場規模が笑っちゃうような勢いで縮小してるんだから、クリエイターを食わせる余裕が減ってるのも当然なんですけども。ここ5年くらいで規模が半分になったとかなんとか聞き及びますが本当なんですかね。真偽はともかく、3000本売れればやりたい放題って時代は終焉を迎えつつあるのかなあって気がしますね、何となくだけど。

 実際、エロゲを10,000本以上売ろうと思ったら、奇麗な絵・オープニングアニメ・有名声優の起用・ユーザーのニーズを汲んだシナリオが必須ですもんねえ。リターンを考えたら、これを頑張るメリットが乏しいような気がしてならんですよ。声は特に重要ですよね。ひまチャきは万はいってないんでしょ? いいゲームなのにねえ。竹井先生がエロゲのシナリオを書く機会がこれで失われるとしたらかなり残念です。

 エロゲマーってヲタの中でも通人っぽい位置だろうとずっと考えてきましたが、そうでもなくなってるんだよねつまんないねってことを結論として、朝から麦酒を飲みつつだらだらと書いたこの文章もおしまい。