MikuMikuDance

CGを使ったアマチュアアニメを初めて観たのはアニ研連の上映会だったような記憶です。確か電通大だったかがCGに熱心で毎回何かしらの作品を作ってたような。まあなにせ平成初期の頃のことですし、記憶はすでに混濁してるんで確かなことは憶えてない。

アニメと言ってもその当時のPCは非力だったからストーリーなどは無いCGデモの域を出ることはありませんでした。緑や赤の丸が飛んだり跳ねたりみたいなそういう感じ。しばらくしてマシンパワーが上がってきて、ソフトも六角大王なんか出たりしたけど、個人でCGやるのはどうも敷居の高いような状況はあまり変わらないのでありました。LightWave 3Dが無いと駄目みたいな意識がありません?

実際のところ2007年の状況において、PCの力は充分すぎるほどに高まっていたのであるし、ソフトについても例えばDoGAの頑張りもあって蓄積が進んでいたのだし、発表する場も動画共有サイトという気楽な場所(上映会に比していかに便利な場所でありましょう!)もあって、気は熟していたのだと思います。後はみんなの意識の壁を突破する何かがあればというところまで。

いやまさか、それが初音ミクさんだったとはお釈迦様でもきずくめえと言いましょうか。ミクさんの持つ革命力には驚かされてばかりですよ。革新的なものはそんなにないのに、色んな壁を突破してく力は感服の一言でありまして。ともあれ、特別なソフトや技術や才能を有しない一般人でも3Dアニメが作れるんだってことに多くの人が気づいたってのが「MikuMikuDance」の功績なのでありましょう。DoGA涙目、みたいな?

以下、僕が好きなMMDを使った動画

これはねえ、客観的にみたときにはキモイ声とキモイ動きの動画なんだろうと思うんですよ。ええ、僕の冷静な部分はわかってるんですよ。でもなんでしょう、この胸に感じるトキメキは。もしかして僕は萌えているの? これが萌えなの? 何でこの動画を見てると多幸感に包まれるの? 参ったなあ。

擬人化されたキーボードが3Dモデルになってキーボードを演奏するっつーのはメタに考えていくと頭がこんがらがりそうですが、どう見てもそこにキース先生がいるので僕はそれだけでおなか一杯です。キース、こんなに可愛くなっちまいやがって。ていうか、いーえるPすげえ。

で、ちょっと脱線してMMDの面白さを書いておくと、あの世界ってUGMとかCGMっぽいんですよね。今まで個人のCGアニメなんていうと職人が部屋に篭ってこつこつと独りで作り上げてくものってイメージだったじゃないですか。初期の新海作品なんかがその代表かな。MMDはそうじゃなくて、2chのどこぞのスレで「○○ってアクセサリーが欲しい」って呟けば顔も知らない職人が作ってネットのどこかに放り投げてくれるような状況があるわけで。ま、これは極端としてもにゃっぽんなんかを介した協業があちこちで行われるてる現状は面白いなって年寄りの僕などは思うわけですよ。

ミクダムなんかもそうなんだけど、MMDで劣化再現物をやる意味はあるのかって言ったらそりゃないんだけど、愛だろ愛というアマチュアの一番大事なところが輝いてるわけで。僕はやはり愛が駄々漏れしてるような動画が大好きです。

さて、この動画のPは無駄に壮大な超ド級アクセサリのpとおっしゃるんですが、巨大戦艦やなんやかやは全部アクセサリなんですよね。つまり舞台裏ではミクさんやリンさんが頑張って動いてると言うわけ。メタな視点でそれを想像してみれば…それって特撮じゃんね。だから、この動画はCGだけど特撮って言う、なんだかよくわからないけど、面白からいいかって動画なんですよ。

そんな感じでMMDすげえってのが結論です。