情報量


 ボカロカバーと原曲を聞き比べてみると、人間の歌声の持つ情報量ってすごいもんだなと思います。でも、僕はその情報量の多さが好きではない。

 歌声の情報量が多いってのは、言い換えれば表現力が高いってことになるのかと。で、人間のボーカルは何を表現してるのかと言うと感情ってことになるんじゃないかと思うんですね。哀しい歌は哀しい声で歌うし、楽しい歌は楽しい声で歌う。演歌あたりはそれを過剰なくらいにやってますよね。あと、詞の意味が分からない洋楽を聴いても、どういう雰囲気の曲なのか何となく分かるのはボーカルの表現力ゆえなのかなあと。

 でもって、初音ミクがアホの子呼ばわりされるのは、詞の意味を理解してるそぶりが無いゆえもあるんじゃないかと思うんですよ。どんな歌も平板に歌っちゃうもんね。何を歌わせても童謡っぽくなるというか。逆に、神調教って言われるPはそこの部分を何とかするのが上手なんですよね。発音と滑舌を良くすれば調教が良いってわけじゃない気がします。

 だがしかし。僕は非コミュのヲタなわけなんですよ。他人様から感情をぶつけられるのはどうにも苦手。昔っから歌が上手いと言われる歌手が苦手だったんですが、その表現力の高さが駄目だったんだと最近になって気づきました。好きな歌手と言えばアイドルとかだったもんなあ。あとは小室先生プロデュースの曲とか。先生の扱うアーティストはシンセサイザーのように歌いますよね。

 声(音)だけが良くて感情を持たないボーカルのボカロは僕にとって理想の歌い手なのだと思うってのが今日の結論でして。いろんな意味で純化された歌声なんですよね<ボカロ。パラメーターを弄れば情報量を増やしていくことはできますが、人間に比べれば全然です。80年代アイドルだってボカロよりは表現力が高いですもん。僕が調教って作業にあんまり興味が持てないのもこの辺が原因なのかなあ。ミクさんはいつもベタ打ち最強って思いますです。

 CV03の巡音ルカが発表されて、こんなことを考えました。大容量バイリンガル・ボーカルですか。ボカロの進化はやはり情報量が肥大する方向で進んでいくんですかね。VOCALOID5くらいになった頃には感情もシミュレートできるようになるのかなあ。そうなったら僕はボカロに興味をなくしていくんだろうか。ミクさん最強とか言って使い続けてるような気もしますけれども。ま、そうなるまでには数十年かかりそうな予感もありますがね。

 そんなことを書きつつも新しいボカロ発売は楽しみー。1/31-02/01はばっちり空けてあります。ボカロ三昧で週末を過ごすぞー! 音素が増えてどういう歌声になるのか今からwktkがとまらないのでありますよ。