ボカロ界隈の風景


 一番最初に街でミクさんの歌声―松屋でPackagedだったかな?―を聞いた時はすんげー驚いたものでしたが、最近は「おっ?」と思うくらいになってきました。人間ってすぐに慣れていくものですねえ。まあ、過去にも似たような事例はあったわけで、慣れていくことは驚きではないんですけどね。KOTOKOの声を街で聞いたときとか、籐野らんの生き別れの双子の声をTVで聴いた時とか。

 KOTOKOの時はメジャーデビューで断然と興味を無くしていく自分と言うのがいたんですが、ボカロに関してはそんなことなくて、これは一安心です。むしろボカ廃度は深まるばかりでございまして。まあ、聴き専ではなくて、一応はソフトを動かしてる人間なので、一緒にもできないんですけどね。ボカロのCDってHMOとsupercellぐらいしか持ってないですし。iTunesでも全然買ったこと無いな。あ、paraokaさんのchaosmaidは購入しました。あれはすごいよねえ。凄い技術の無駄使いっぷりが素敵です。

 ちなみにボカロの歌声が一般流通やDL販売にのってこれからどんどん広がっていくという意見がネットのあちこちで見かけますが、僕はそうは予想はしてません。『supercell』の売り上げが7万枚くらいでしたっけ? ニコ動の誇るキラーチューンをもってしても、ボカロ耳を持たない一般人には届かなかったんだなあというのが印象ですし。コミュニティ化の進む今のニコ動では300万再生するようなボカロ動画はもう生まれないでしょう。だから、今が初音ミクムーブメントの最高到達地点で、後は下り坂なんじゃないかと予想するのです。

 いやだってさ、僕らボカ廃はちょっとおかしくなってるんだよ。普通の人はミクの声って何て歌ってるのか聞き取れないですよ? いやいや、ホントホント。嘘だと思うなら、メルトをその辺のおばちゃんに聞かせてみればわかりますって。まあね、僕なんか相当のボカロ耳ですから大抵の動画は字幕いらない能力を有してますし喋り動画も全部聞き取れますが、これは一年にわたる毎日のプラクティス(ニコ動を眺めてるだけですが)の成果でして、冷静になればこれは要らない能力なわけでして。

 ボカロ界隈の向かう方向は深化かなあと思ったりします。細かいコミュニティがたくさん出来上がって、その中では色々と面白いことをやってるんだけど、どうにも外には広がっていかないというような予想図ですかね。根拠はまったくない勘でしかないですけど。ただねえ、今のコラボばやりの状況ってどんどんタコツボ化への道を辿ってるように僕は見えるんですよ。

 実際のところ、コラボもしょうがないよねえ。今のボカロ界隈は動画ついてて当然見たいになってますし。一枚絵で音だけってだけじゃ絶対に再整数伸びないもんね。僕らはそれほど万能でもないから分業してくしかなくなっちゃうよねえ。その場としてにゃっぽんが機能してるのは良いんだけど、どんどん排他的な匂いが動画からしてくるようになってるというか。彼らにとってはニコ動は内輪のお祭りの場でしかないのかしらん。SNS嫌いの僕の偏見かもしませんが。

 なんか取り止めの無い文章になっちゃった。ブームとか関係なく僕はボカ廃であり続ける方向ですよってことを書くはずだったんですが、まあいいか。