滝道

>たき【滝】
>1 懸崖(けんがい)からほぼ垂直方向に落下する水の流れ。瀑布(ばくふ)。
>
>大辞泉



 始まりは北関東。

 中禅寺湖のあたりをドライブしていたら、「湯滝」という看板が目に入って、お湯でも流れ落ちているのかしらと気になったので、まあ急いでいる旅でもなしと寄ってみたわけ。それが案外に立派な滝で、滝度評価でいったら、☆☆☆☆はあったのですよ。滝度って何さ?

 説明しよう!(cv:富山敬) 滝度とは滝を滝口・水量・落差・滝壺・景観等によって測った指数である。☆5つが満点であり、熟達した滝鑑定人により評価されるのだ。あーなーたーのーたーめーなーらーどーこーまーでーもー。わかったかなあ?

 そーなのかー。ともあれ、湯滝はマイナスイオン駄々漏れの良い滝でした。しかししかし、湯滝は傾斜が惜しかったのね。30度くらいかなあ。あれは、滝なのか急流なのか、僕の中で判然とせず、もやもやっとした気持ちのまま帰途についたのでありました。滝って垂直に水が落ちてこそだよね。斜めだと違うんじゃないかなあ。

 だけれども、色々と調べてみると、滝の分類はいくつかあって、その一つに渓流瀑というのがあるようなのね。大辞泉には「傾斜のある岩の上を滑るように流れ落ちる滝。なめ滝。」とあります。ていうか、滝の意味の2に「傾斜の急な所を激しい勢いではしり下る水流。急流。奔流。」ってあるしね。確かに滝のように流れる雨水などと言うしなあ。俺たちはとんだ思い違いをしてたのかもしれんね。今まで川だと思っておったものは滝だったのかもしれん。

 セカンドインパクトは信州。

 温泉地をフラフラと歩いていたら、滝が目に入ったのね。どれどれ鑑定して進ぜようかのと見てみると、小ぶりだけど綺麗な滝で、水量・滝壺も申し分なく、ふむん、☆☆☆とうところかのと検分したところで、立て看板があるのに気づいたのね。それには「この滝は自然石を積み上げて造成しました」てなことが書いてあったのね。

 ここでまた頭がパーンとなりましてね。た、滝は造れるんだと衝撃を受けました。反転衝動。いやあ、名前は憶えてないですが、水路を改造した中々に見事な滝だったんですよ。落差はかなりのものでした。滝の持つ懐の深さに恐れ入った次第であります。驚きのあまり、滝は永遠の生命なのだという声がNY方面が聞こえてきたような気がしましたですよ。

 今までは公園にあるような人工滝を馬鹿にしていたところがあったんですが、これからは認識を改めたいと思います。新宿中央公園にあるのはナイアガラという風に、俺的決定です。東京大仏にあるやつも滝っス。しょ○べん?とか思っててゴメンナサイ。

 という最近の俺でありますよ。シャワーを浴びてても、これは滝なのかもと思うような始末です。あと、日本滝道連盟(本部:吉祥寺 会員:1名)は滝鑑定人を募集しています。我こそはという者はどしどしご応募ください。

 で、最後にいつものエチケットペーパーですが、この文章はネタです。内容を信じて貴方が損害を蒙ったとしても、当方は一切関知しません。まあ、それはともかく、出歩いてると世界に認識の変更を要請されるようなことがあるから、面白いですね。家に閉じこもって好きなものに囲まれてるのは居心地いいけど、変化が無くて死んでるのと変わんなくなっちゃうからなあ。